幼少期からの趣味が転じて広がった小林あいさんの挑戦

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絵を描くことと昆虫が好きだった幼少期から繋がっている大学での学生活動

たった一人の熱狂から世界が動き出す想いをインタビューする「On the One」。今回お話を伺ったのは、幼少期から絵を描くことと昆虫が好きで、大学時代アート活動に励んできた小林あいさん。幼少期の思い出から美術教諭を目指すようになった経緯を伺いました。


(小学生向けワークショップにて)


小林 あいさん
2002年生まれ。広島県出身。静岡大学教育学部 美術教育専修。
幼い頃から絵を描くことや昆虫を観察することが好きで、小学生時代を過ごした静岡市で、美術の先生になるために静岡大学に入学。
大学では、絵画・デザイン・彫刻・美術教育といった幅広い分野を学び、それらを自身のアーティスト活動と、チラシなどのビジュアルデザインやイベントデザインに活用している。
とにかく新しい事に挑戦することが好きで、様々なアーティストやイベントのお手伝いをしている。
過去の作品等:https://instagram.com/aiapple_drow

進路選択に悩んだ結果、アートの道に進んだ

myicon編集長 ケンフィー今は大学でアート系を学ばれているんでしたっけ?

”"小林 あいさんそうですね、教育学部の美術教育専修で学んでます。

myicon編集長 ケンフィーそこを受験しようと思ったきっかけってなんですか?

”"小林 あいさん私は幼稚園の頃、絵を描くのと虫を観察するのがすごく好きだったんですよ。

myicon編集長 ケンフィー幼稚園の頃から虫が好きだったんですね。

”"小林 あいさんはい。ただ受験生の時は、心理学を学ぼうかなとか思っていて揺れていましたが、周りの意見などを聞けば聞くほど、訳がわからなくなって、すごく病んでしまったんですね

myicon編集長 ケンフィー進路選択に苦労されたんですね。

”"小林 あいさん本当は浪人しちゃおうとか 思っていたんですよ。
でも最後に、受けるだけ受けようと思って、昔住んでいた静岡の大学に決めて、好きなことをやろうと美術を選択して受験しましたね

myicon編集長 ケンフィー静岡には昔住んでいたんですね。

”"小林 あいさん元々、転勤族で、6回ほど引っ越しを経験しました。その中でも静岡は小学生の頃に6年ほど住んでいました。受験の時は広島にいたんですが、県外に出て、今とは全然違う環境に身を置きたいって思ったのと、雰囲気が良かった記憶があったので静岡に来ました

myicon編集長 ケンフィー幼稚園の頃から小学生の頃までの出来事があって、今の大学生活があるということですね。

”"小林 あいさんはい、結局、原点回帰みたいなところがありますね。

幼少期から現在に至るまでのアートのルーツ

myicon編集長 ケンフィーちなみに絵を描くのが好きっていうのは、どういったところが好きですか?

”"小林 あいさん絵を書くというのが、私にとっては文章を書くのと同じぐらい染み付いた手段という感じです
例えば、授業を受けるときも、図で表したり、人物の顔を描いたりしないと覚えられないし、絶対絵を描かないと気が済まないんですよ。
ただ、一番はじめは親に褒めてもらえて嬉しかったところから始まっているような気がします。

myicon編集長 ケンフィーそこから、ずっと絵を描き続けてきたってことですよね。
一方で、幼稚園の時から虫を観察するのが好きだったというのは、 どういういったところが好きですか?
絵を描くのと虫を観察するのって、インドアとアウトドアで正反対の存在のような気もしますが。

”"小林 あいさん私は外でする運動がすごく苦手なんですが、幼稚園の頃に「絶対に男子には勝てない」って早くに諦めてしまって、みんなが遊んでいる時に、公園の端の方で、虫を観察していました

myicon編集長 ケンフィー運動が苦手だからこそ、結果的に虫を観察していたというわけですね。

”"小林 あいさんでも、元々虫が好きというのもあったと思います。昆虫がちっちゃくて動いてて可愛くて、さらに形や色がおもしろいなって

myicon編集長 ケンフィーそれは生物学的に興味があるということですか?

”"小林 あいさんあまり生物学的だったり生体的に好きなわけじゃなくて、ただ形や色が好きだっただけですね

myicon編集長 ケンフィー絵を描くことや昆虫を観察することが好きということは、結局は、美術系に興味があったということで、共通していますね。

”"小林 あいさんはい、多分そうなんだと思います。

myicon編集長 ケンフィーなるほど。じゃあアートの対象が、たまたま昆虫だったっていう感じですかね。

”"小林 あいさんあとは家系的に絵を描く血筋があるような気もしてます
父と母の環境が真逆で、母方はの親戚は町中の方に住んでて、美術系に進んだ親戚もいましたし、父方の親戚は瀬戸内海の島に住んでいて、毎日釣りに行ったり、山を登るといった遊び方をしていましたね。

myicon編集長 ケンフィーなるほど。

”"小林 あいさんお父さんはよく釣りとかに連れていってくれますし、お母さんは一緒にショッピングに連れていってくれたり、絵を描くのを喜んでくれたりしましたので、2人の影響が大きいんだと思います

自分のやりたいことを表現できるようになった大学時代

myicon編集長 ケンフィー大学で静岡に来た後も、いろいろと幅広い活動をされてますよね。

”"小林 あいさんそうですね。お店のシャッターに絵を描かせていただいたりと、本当に貴重なことをさせてもらいました

myicon編集長 ケンフィー自分の描いた絵がずっと残っているのはすごいですね。あとは軽音も活動されているようですね。

”"小林 あいさんそうですね。元々ピアノは習っていたんですが、大学で軽音を始める1年ぐらい前に、運動を克服したいと思ってダンス部にいました。でも、ちょっと厳しさについていけなくて。
それで何かやりたいと思って、軽音に入って、最近はドラムをやってますね

myicon編集長 ケンフィーこれから社会人になってからも、続けていこうっていう感じですか。

”"小林 あいさん社会人になってからもやりたいですね。楽器1つできたらいいですよね。

myicon編集長 ケンフィー僕自身も、昔独学でやっていたWEB制作が仕事になってきたりしているので、幼少期に好きなものって人生でずっと繋がっているんだなと思いますね。

”"小林 あいさんそうですね。ただ私の場合は、幼稚園の時には目いっぱい弾けてたのに、小中高で、ぎゅーって我慢するようになりましたね。

myicon編集長 ケンフィー自分のやりたいことを我慢していたんですか?

”"小林 あいさんそうです。小中高と大きくなっていくにつれ、自分を主張すると何か言われるのが怖かったり、仲間外れやいじめがすごい怖かったりして、ずっとぎゅーってしていました。
でも大学で、それが解放されましたね

myicon編集長 ケンフィー大学って、そういう場所ですもんね。自分でいろいろと決めていくところだと思うので。

”"小林 あいさんでも、高校まで自分のやりたいことを我慢していたせいで、本当の自分がわかんなくなっちゃった時がありましたが、大学生になって気づき始めると、幼稚園の時の私と、ほぼ変わんないことに気づきましたね

myicon編集長 ケンフィー素の自分に気づけたんですね。

”"小林 あいさんあと今の大学に入ってから、より虫を観察するようになりましたね。

myicon編集長 ケンフィー確かに、静岡大学の周りは自然が豊かですもんね。

”"小林 あいさんはい。本当にすごいです。ナナフシっていう、枝みたいな虫とかも出てくるんですよ。

myicon編集長 ケンフィーナナフシ・・初めて聞きました。

”"小林 あいさんナナフシ、面白いですよ。本でしか見たことない虫を見つけると楽しくなりますね。

myicon編集長 ケンフィー「本当にいたんだ」という面白さがありますね。

友人の作品を書籍化?!

myicon編集長 ケンフィーあと、それらの活動と並行して、友人の書籍化も行ったそうですね。

”"小林 あいさん教育美術って16人しかいないんですが、その中でも、すごく個性的な友人がいるんですよ。その子は、ちょっと怖いような絵を描くんですが、描かれたもの全てに意味があって、面白いんです
その子の作品がたくさんあって、その子は文章も書けるので、それを広げたいなと思って、アートブックを出すことにしましたね

myicon編集長 ケンフィーすごく本格的ですね。それは紙の本として出版したってことですか?

”"小林 あいさんはい、そうです。マーブリングっていう技法を使って、1冊1冊、表紙の模様が違ったものになってます

myicon編集長 ケンフィーなるほど。ちなみに、全部自分たちで作ったってことですか?

”"小林 あいさんはい、そうです。全部作りました。

myicon編集長 ケンフィー自分たちを全部裁断して、背表紙にくっつけていくのもやられたということですよね。

”"小林 あいさんそうなんです。本を作るにあたって、こだわりがあったので、業者に頼んだらできないようなことも盛り込んでやろうと思って、全部自前で作りました
世界に1つしかない本っていうフレーズを入れたんですが、例えば、表紙を変えるとか、本の中に入っている小説も、最後の1個がランダムになっているとか。

myicon編集長 ケンフィー本がどのようにできているかを知っている人は少ないと思いますが、その工程をやったからこそ、製本の工程も経験できたってことですもんね。

”"小林 あいさんそうですね。本を作る授業があって、そのことで本を作るというのが身近に感じられるようになりましたね。

myicon編集長 ケンフィー結局、クリエイティブなモノづくりが好きなんですね!素敵なお話をありがとうございました。

(取材協力: 小林 あい 氏(Instagram)/取材・編集:ケンフィー(Instagram, Twitter))