学生が社会問題を知り地域に参加するきっかけを作る静岡産業大学 太田 裕貴 准教授の挑戦【後編】

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藤枝駅前に学生や地域の居場所を作りたい

たった一人の熱狂から世界が動き出す想いをインタビューする「On the One」。今回お話を伺ったのは、ゼミとして地域と関わる活動を行う太田 裕貴さん。静岡産業大学の准教授でありながらも地域創生活動に関わっているきっかけや、今後の展望まで伺いました。後編では、藤枝駅周辺で大学生とイベント活動を行う、その想いを伺いました。


(太田 裕貴 さん)


太田 裕貴 さん
1988年生まれ。大阪府出身。
大阪市立大学(現:大阪公立大学)、大学院経営学研究科後期博士課程修了(経営学博士)。静岡産業大学経営学部准教授。2021年4月から静岡産業大学経営学部 准教授を務め、会計やファイナンスの研究を行いながら、ゼミの活動の一環で、子どもたちや大学生の居場所づくりに携わっている。

※本記事は、後編になります。まだ前編を読んでいない方は、前編から読んでいただくと、より楽しんでいただけると思います。

前編を読む

藤枝駅付近に地域住民みんなの居場所を作りたい

myicon編集長 ケンフィーでは3つ目の地域の場所作りっていうのはどういった活動でしょうか?

”"太田 裕貴 さん私が藤枝という地域に慣れ始めた頃、子どもたちのために何かできないかと考え、その中で私も息子がいることもあり、特に小学生の遊び場や放課後に通える場所の必要性を感じました。

myicon編集長 ケンフィーそこで藤枝駅前に着目したわけですか?

”"太田 裕貴 さん「BiVi藤枝」という駅前の商業施設も、4年前にはまだいくつかお店がありましたが、今は少なくなってしまい、大学生たちも藤枝駅周辺をあまり利用しないことに気づき、子どもたちの遊び場の問題だけでなく、大学生の居場所の必要性も感じましたね。

myicon編集長 ケンフィー地域に足りないものに気付いたからこその、居場所づくりなんですね。

”"太田 裕貴 さんあとは年配の方々も同様に、コミュニティや居場所が少ないと感じているみたいなので、多世代にわたって、フラットでリラックスできる居場所を作れないかと考えましたね。

myicon編集長 ケンフィー僕自身も県外出身ですが、同じように「自分たちが住む町は自分たちで作ろう」と思い、地域のイベント活動を始めたので、その考えにものすごく共感できます。

”"太田 裕貴 さんありがとうございます。その考えから、子ども食堂や交流スペース、シェアオフィスなど、人が集まって何かを共有できる居場所づくりを考え始めました。

大学生が定期イベントの主催に挑戦

myicon編集長 ケンフィー具体的にはどういった活動をされてきたのでしょうか?

”"太田 裕貴 さん吃音の学生がいたので、その子たちが活きいきと働ける場を作ろうと思って、「吃音カフェ」を考えたこともありました。ただ継続的な事業となると、学生の中から起業することになり、少しリスクが大きくなるため、定期的にイベントをやることで落ち着きましたね。

myicon編集長 ケンフィー大学生がやれる範囲内で検証した結果、定期的なイベントにたどり着いたわけですね。具体的にはどんなイベントを開催してきたのでしょうか?

”"太田 裕貴 さん子ども向けにNintendo Switchを使ったスマブラ大会とかを開催しましたが、まだ試行錯誤の段階ですね。


(BiVi藤枝で開催されたスマブラ大会の様子)

myicon編集長 ケンフィーなるほど。

”"太田 裕貴 さんでも逆に言ったら、いろいろやる方が、その時々の学生の関心やニーズも違ってたりとかするので、2〜3ヶ月に1回ぐらいBiVI藤枝でいろいろと開催できたらいいのかなと思っています。

myicon編集長 ケンフィー他にはどんな活動をされていますか?

”"太田 裕貴 さん藤枝駅南にD-LABさんというコワーキングスペースがあるんですが、そこでたまにマルシェをやったりしています。ここは学生が主体で、地域の人が集まってくるような場所にしたいなと考えています。


(D-LABで開催されたマルシェイベント)

myicon編集長 ケンフィー立場や世代関係なく集まれる場所って大事ですよね。

失敗も含めて見せることで、学生の最初のきっかけを作る

myicon編集長 ケンフィー実際、いろんな活動で学生さんが動いていると思いますが、学生さんが地域と関わって、変化とかはありましたか?

”"太田 裕貴 さんこれは客観的な数字に表しにくい変化だと思いますが、例えば、発信する言葉が変わってきたなとか、自己肯定感がちょっとずつ良くなってきているなとか、ちょっとは能動的に動けるようになったなとか、客観的に見たら小さい変化ですが、大学生からしたら、人生で大きな変化なんじゃないかなと思っています。

myicon編集長 ケンフィーそういうのがあるからこそ、学生時代に地域と関わった人は、社会人になった後も、いろんな活動に関わっている人が多いですよね。

”"太田 裕貴 さん多分、怖さだと思うんですよね。本当は、みんなできるはずなんですが、経験不足や自己肯定感の低さとかで怖くなっていると思います。

myicon編集長 ケンフィーいま地域で頑張っている方や、元々大学生から活動してきた人からも話を聞いたりするんですが、彼らも何かしらきっかけがあって変わったというのをよく聞きますね。

”"太田 裕貴 さんそのきっかけを本来は大人が提供すべきところですよね。1回きっかけを与えたら、2回目からは向こうからきっかけを持って来てくれるので、最初の1歩目の支援だけ、こちらで何かできたらと思っています。

myicon編集長 ケンフィー確かに1番最初のきっかけを見つける時って1番怖いですよね。

”"太田 裕貴 さんだからこそ、学生との信頼関係やコミュニケーションはかなり意識してますし、できるだけ距離を近づけられるように、そういう活動には必ず私も関わるようにもしています

myicon編集長 ケンフィー先生自ら、毎回必ず参加されているんですか?

”"太田 裕貴 さん私もたくさん失敗するので、一緒に失敗したり、悩んでいる姿をできるだけ見せて、特別な人がやっているわけじゃないってことを見せていけば、学生たちも少しは信頼するんじゃないかなと思いまして。

きっかけをバトンのように繋いでいける社会に

myicon編集長 ケンフィー今後の展望やこういう風にしていきたいなという目標だったりとかはありますか?

”"太田 裕貴 さん時間はかかるかもしれないですが、きっかけを与えてもらった子が、今度はその学生自身が、周りの誰かにきっかけを与えられるようになって欲しいというのが究極の目標ですね。

myicon編集長 ケンフィーきっかけを与えてもらった人が、誰かにきっかけを繋いでいく・・素敵な循環ですね。

”"太田 裕貴 さんそうですね。そういう輪が社会全体に対して広がれば、ゆくゆくは不登校の子を減らすことにも繋がってくるだろうなと思っています。

myicon編集長 ケンフィーなるほど。

”"太田 裕貴 さんそれが長期的な究極目標で、短期的な目標で言うと、きっかけはもっと若い時にあったほうがいいと思っていて、私たちができる範囲で、小学生から中学生、高校生とも一緒にできる活動も検討していけたらと思っています。

myicon編集長 ケンフィー大学生だけでなく、その手前の小中高の段階も含めたキャリア支援を行なっていきたいということですね。本日は素敵なお話をありがとうございました。

令和5年12月23日、BiViゲームパラダイスを開催!

このインタビューを実施したのが2023年9月ごろで、インタビューのあと「ぜひ一緒にBiVi藤枝でイベントを開催しましょう」という話になり、同年12月23日に、僕が共同代表を務める「みんなのASOBI」と静岡産業大学「太田ゼミ」とのコラボ企画として、BiVi藤枝で「BiViゲームパラダイス」を開催しました。


(BiViゲームパラダイスの様子)

ものすごく大反響で「また開催してほしい」という声もたくさんいただいたので、継続的に開催していくことが決定し、現在継続して企画を行っています。(2024年1月現在)


(BiViゲームパラダイス マリオカートの様子)

(取材協力: 太田 裕貴 氏(Instagram)/取材・編集:ケンフィー(Instagram, Twitter))