岡山をもっと盛り上げる「藤澤 直武」

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倉敷市役所を退職し、デスティニー経営事務所と一般社団法人日本地域イノベーション研究機構の二つの法人を立ち上げた藤澤さん。公務員時代にとあることに気付き、死ぬまでにやりたいことがあるという。シェアドリームでは、藤澤さんが公務員を辞めて何をやろうとしているのか、その真実に迫りました。

※対談の内容はhttps://kenfee.com/talk/2019/0724.htmlにノーカットで掲載していますので、併せてご覧ください。

人にきっかけを与えるようなことをしたい

—公務員を辞めて、2つの法人を立ち上げられた理由は何ですか?

まず会社としては中小企業を対象とした経営コンサルタントというのを関西で専門にやっています。僕は中小企業診断士という資格を取っているのですが、中小企業の方を応援したいという想いがあって、それをやっていくために会社を作りました。もう一つの一般社団法人の方は地域を対象にした仕事で、世の中には困っている人や、やる気があるけどやり方が分からない人など、いろんな方がいらっしゃると思うんですけど、そういう人にきっかけを与えるような、そういう事が出来ないかなと思って立ち上げました。公務員は社会性の高い仕事で、これを全うすることにも大きな意味がありますが、生き方の選択、やりたいことが少し違っただけだと思います。

—現在は岡山をまず盛り上げたいという感じですか?

そうですね、はい。

—一般社団法人の名前に『岡山』ではなく『日本』と付けたのはなぜですか?

岡山だけになるような名称にしてしまうと、岡山以外の地域の人は依頼しにくいというか、そういう雰囲気を感じるので、とりあえず何かあれば、どこででも応援したいなという想いで付けたのと、姓名判断ですごく良かったからです。 強運を呼び込むとか、困難は平気で克服するとか、いろんな分野で凄く優れていたので、逆にお付合いする人にとっても良いことかなと思って命名しました。

公務員の知識だけでは無理だなって気付いた

—公務員だったときに、どんなことを感じられたのですか?

まず僕は農業関係で、マスカットの生産振興に取り組んでいましたが、その中でマスカットのワインを開発することになりました。業務に取り組む中で、途中で気付いたのですが、これは公務員の知識だけでは絶対無理だなって気付きました。経営の理論だとかを知らないとこういうことはできないんです。自分も苦労して経営の理論などを身につけたので、同じような苦労をして困っている中小企業人に対して支援できると思いますし、それを仕事にしていきたいと、ずっと思ってました。そこで中小企業診断士という資格を取り、中小企業の方の支援を給料は貰わずにやるようになりました。診断士の資格は自動車の運転免許をとったくらいの感覚なので、ここからさらに色んなことを学ぶことが重要だと考えています。実際にある分野では、日本の中でも先端だという自負がある。でもそこにはとどまらないようにして、さらにレベルを上げていくようにしています。

本当に独立しようと思ったきっかけは、当時ある地域でいろんなものを開発していたのですが、人事異動で業務から外れることになったときに、地域の人から「お前はワシらの街を見捨てるんか?」って言われたんですよ。そうじゃないんですけど、組織で勤めているということは人事異動があるわけで、そういった専門性のあるお付合いを継続して続けていくためには、組織の中からではダメだと気付いたんです。社会人として能力を活かせる年齢って、あと10年くらいだと自分では思っているんですが、その10年は、ちょっとでも世の中の役に立って生を全うしたいと思っています。自分の人生においてピークやリミットがあると考えれば、たいがいの人は時間を無駄に過ごさなくなりますよ。

藤澤さんがこれからやっていきたいこと

—6次産業化を通じた地域活性化をやっていきたいという感じなんですね?

そうですね。まず『食』っていうのは、昔から『衣・食・住』っていう言葉があるように、『食』っていうのは凄く大事なことなんです。それで食べ物って割とコミュニケーションが取りやすい。ということで、ひとつの形として、一生懸命作ってる農産物を、よりいろんな人に知ってもらうやり方として『加工』っていうのは大事だと思うんですよね。農産物は作ってから1週間もすれば痛んじゃうから。でも加工すれば、どこへでも持っていけるし、マスカットの旬でない時期にもマスカットの味を知ってもらうことができます。それで6次産業としてやっていたのですが、これからは、それだけでは難しいと思うんですよ。もう少しその商品に、その人の想いだとか、地域の背景だとか、そういうものが入ってこないといけないなと思っていて、まず物語のある良いものを作るっていうことと、次にダイレクトに繋がっていくっていうことは、農産物の流通自体を変えていくことに繋がると思いますね

—食以外ではどういったことがやりたいですか?

1つはDMO (Destination Management Organization) っていう形で、いろんな地域の資源を一括して管理し、マネージメントとマーケティングの観点を加えた観光経営を行って、直接的に効果を上げていくようなことがしたいですね。もう1つは「一社一村」で、基本的には都市部の地域の企業と農村が対等に連携するカタチを作りたいです。最初簡単な交流から始まるのですが、その地域にいろんな企業の人が訪れるようになって、お互いに交流をしていくことで、結果的には、若い人にとっても、その会社にいることが誇りになるようになればいいなとも思っています。ただ実際に過疎化の問題だとか、人口粒度の問題っていうのをすべて解決するっていうのは難しいと思うんですよ。でもそれ以上に、そこに住んでいる人が誇りを感じるっていうことが一番大事だと思っていて、どんな地域に住んでいても、そこが不便かもしれないし、もっと不便になっていくかもしれないですが、そうであっても、その地域の人の心に何か残れば、僕は儲からなくても良いと思ってます。

—最後に藤澤さんが人生で本当にやりたい一番の目標を教えてください。

僕は人の役に立って人生を全うしたいなって思っています。やっぱり自分以外に、いろいろな人の思い出に残るような、そういう仕事がしたいなと思ってます。なので、僕は儲けたお金は全部そういう、世の中のために使って終わりたいなと思っています。

最後にメッセージを書いてもらいました。

(協力:一般社団法人日本地域イノベーション研究機構 藤澤 直武氏/取材・執筆:ケンフィー)