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自分が参加したくてイベントを開催してから2年が経った
活躍する人をインタビューし、「先を進む姿を指針に、夢を叶える一歩を踏み出そう!」と、たった一人の熱狂から世界が動き出す「On the One 」。2020年8月1日に駿府城公園で開催される「静岡スカイランタンフェス」を2年前に始められた実行委員の方にインタビューを行いました。なぜスカイランタンフェスを開催し始めたのかや、これまでのイベントで苦労したことを伺いました。
(左:兵庫さん、右:横田川さん)
自分が参加したくてスカイランタンフェスを開催し始めた
編集長 ケンフィー静岡でスカイランタンフェスを始めようと思ったきっかけって何ですか?
兵庫さんもともと僕が参加者としてスカイランタン行きたかったんです。スカイランタンはタイが発祥で、コムローイっていう来年の豊作や幸せなどを願って打ち上げるのですが、ディズニーの塔の上のラプンツェルの最後ラストシーンにもランタンを打ち上げるシーンがあり、それで世界で有名になりました。
編集長 ケンフィースカイランタンは現在、どこの国で開催されているんですか?
兵庫さん例えば台湾でも開催しているんですよ。それで、台湾のスカイランタンに行こうと思って、いろいろと調べたんですが、打ち上げ場所にたどり着くまでが大変なんです。台湾の中心都市から1時間程度待って、ぎゅうぎゅうのバスに乗って、さらに1時間。帰りはタクシーとバスの争奪戦。そこまでして行くぐらいなら、自分たちで開催した方がいいのではないかと思いました。
編集長 ケンフィーそこから企画が始まったんですか?
兵庫さん消防法と航空法で厳しそうだと分かって、しばらく断念していました。海外はランタンの中に火をともして打ち上げるのですが、日本の場合は航空法などで規制されてできないんです。しばらくしてから、LEDのランタンを見つけて、「あ、これいける」ってなりました。
横田川さんそう。LEDランタンの連絡をもらったとき、「あ、諦めてなかったんだ」と思って、これはもう全力でやるしかないなと思いました。しかも思いの他、そのLEDランタンがすごい綺麗だったんですよ。
編集長 ケンフィー最初のスカイランタンフェスはいつ頃開催されたんですか?
兵庫さん2018年の7月の三連休ですね。2018年の1~2月から企画を練り始めました。
横田川さん自分たちがやる時には、日本中にもっとやりたい人たちがいるし、先に開催した方が絶対いいから、開催まで急ぎましたね。
兵庫さん島田市に申請したり、クラウドファンディング準備したりしました。3月ぐらいにクラウドファンディングを開始しましたが最初は集まらなくて、1~2週間ぐらいめちゃくちゃ悩みましたよ。
「絶対無理」と言われたが、根拠のない自信だけは持ち続けた
編集長 ケンフィー当時はまだクラウドファンディングが主流でなかったと思いますが、どうでしたか?
横田川さんこの2~3年でクラウドファンディングってすごく浸透しましたが、あの当時は静岡でクラウドファンディングなんて知られていなかったんですよ。まずはスカイランタンフェスを知ってもらうところからでした。
兵庫さんスカイランタンの画像もなかったですし、当時静岡の人たちはクラウドファンディングのいう言葉は何となく聞いたことあるぐらいの認識でしたね。
横田川さん「個人情報を登録して大丈夫なの?」とかいろいろ言われましたから。手売りで売った代金をわざわざクラウドファンディングに入れたりもしていましたね。
編集長 ケンフィーまず、「クラウドファンディングとは何か」という壁があったっていうことですね。
横田川さんそう。友達とかから「これどうやって登録したらいいの?」「ここに個人情報入れて大丈夫?」だとか電話かかってきて、確かにものすごい壁でしたね。
兵庫さん地元の友達ですら「とりあえず直接買うから」「もうこれ分かんないから」っていう感じでした。
編集長 ケンフィークラファン以外に苦労されたことはありますか?
横田川さん周りから「絶対無理だ」って言われたり、否定の言葉がすごかったですね。
編集長 ケンフィーどんなに反対されても、2人は絶対できるって思っていたんですよね?
横田川さん全然いけるでしょって思ってました。
兵庫さんだってスカイランタンなんて人来るに決まってるじゃんっということしか思わないんですよ。
横田川さんこんなおもしろそうなものをやれば来るでしょう、みたいに思っていました。
兵庫さんしっかりと人に刺されば、全国から来るのは当たり前と思ってるから。
横田川さん私たちはそんな感覚でやってたけど、やっぱり地元の人からすると、この値段でイベントなんか絶対無理だって言われましたね。タダで配らないと無理っていうような空気感はすごいありました。でも一方で、実行委員のみんなのポテンシャルが高くて、地元をちょっと楽しくしたいという思いはすごくあって、自分たちも一番楽しみたいけど、みんなも一緒に楽しいことしようよっていう感じでやりました。
兵庫さんそうですね。
横田川さんだからやってて楽しかったもんね。辛いことはたくさんあったけど、それ以上にやっぱり楽しかったし、もう成功する気しかないという根拠のない自信だけはありました。
兵庫さん根拠は無くていいんですよ。未来なんてわからないし。
無料の観戦客が2000人集まってパニックになってしまった
編集長 ケンフィー実際は県外の方とかも来られたんですか?
兵庫さん西は大阪、京都から、東は千葉、埼玉から来られました。
編集長 ケンフィー地元の方々はどれぐらい来られたんですか?
兵庫さん買った人はちょっと分からないですけど、無料で見に来る人は相当数いました。
横田川さん思いのほか無料で見に来る人が2000人弱ぐらいは集まってしまいました。警備員とか用意しているわけでないので、ものすごいことになってしまいまして。
編集長 ケンフィーイベントの参加料金って、どういう料金設定だったんですか?
兵庫さん打ち上げ1基5000円~6000円の設定で、1基につき何人でも打ち上げ会場に入っていいよという設定でした。6人だろうが10人だろうが、打ち上げるランタンを1基買えば入れるという感じにしていました。でも買わなくても、打ち上げ会場の周りで見れたので、それがもうパニックになっちゃいましたね。
横田川さんめちゃくちゃ来たよね。
兵庫さん町おこしというコンセプトから、島田市外や静岡県外から来てもらって楽しんでもらいたいという想いがあり、あえて島田市ではPRあんまりしないようにしたんですが、2000人も集まっていました。
編集長 ケンフィーもう、その時点で周りの人が「無理だよ」って言ってたのが覆ったってことですね。実際、準備とかはどんな感じで進められたんですか?
兵庫さん僕が普段東京にいるので、準備はそんなにしてないです。なので、当日てんやわんやですよ。
横田川さん実行委員は3人で回している分、動きやすい。1人の負担は大きいけど、シンプルにやってます。
編集長 ケンフィー去年(2019年)も島田市でされたんですか?
兵庫さんやりましたが、もう無料で身に来られるのが嫌だったんで、奥地でやったんです。
横田川さんお金を払った人しか来にくいクローズなところでやりましたね。広いところを借りて、お金を払った人だけが入れるような感じにして行いました。きちっとお金を払って駐車場券とか高くても買ってくださってる人たちは何も文句は言わないんですけど、無料で来た人の方が「なんで駐車場がないんだ」とか文句言われるんですよ。
兵庫さんもうそういうの嫌なんで。
横田川さんそういうのがもう嫌だからクローズ。別にお金稼ぎたいわけじゃなくて、お金を払ってくれた人たちがきちんと楽しめるイベントにしたいので。
スカイランタンフェスに参加したくて企画を始めた一方で、クラウドファンディングで資金を集めるのに苦労したり、溢れかえった来場者の人たちにも悩まされたり、様々な課題を乗り越えて開催してきた静岡スカイランタンフェス。
そんな静岡スカイランタンフェス、2020年はついに駿府城公園で開催されます。城を背景に打ち上げるランタンは、最高の景色になりそうですね
(取材:日本スカイランタンフェス実行委員会 (@japan_skylantern)/企画・編集:ケンフィー (@kenfee_official)